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但馬名牛5点配合
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但馬名牛5点配合

2023.05.10和牛の血統について

放牧中の但馬牛

但馬和牛5点配合とは、最上質な枝肉を安定的に生産するための交配テクニックです。

私たちは、和牛の血統と肉質の因果関係を追及することで、但馬牛の血量が多くなれば肉質が良くなることに気が付きました。

また、但馬系の名牛とよばれる種雄牛の遺伝力は非常に強力で、子孫の肉質に強い影響を与えることが分かりました。

 

【強烈な遺伝子を持つ但馬系種雄牛の名牛の例】

安福、安福165の9、白清85の3、安福久、安平、北平安、光平照、福栄、福安照、茂洋、洋糸波、勝洋、茂福久、北美津久、北乃大福、福安照、忠福、菊谷、美津福、美津照重など

 

但馬系の名牛の定義は下記の通りです。

・後代成績が優れていて、バラツキが少なく、強い遺伝力を保有していること。

・但馬系の血量が50%以上とします。

 

このような但馬系の名牛の血が入ると、名牛の強烈な遺伝力によって枝肉の肉質が向上します。

具体的には歩留まりは良くなり、ロース芯は大きくなり、コザシで、モモ抜けも良くなります。

そのため枝肉の商品価値は高くなり、肉屋も売上が増え、消費者も美味しい牛肉を食べることが出来ます。

最近の北海道では、北美津久の遺伝力が高すぎて、ホルスタインに交配したF1産子でもBMS12番が出ると話題になっています。

私たちはそういった現場での体験をもとに新たな交配理論を考え出し、「但馬名牛5点配合」と名付けました。

素牛の3代祖までの血統に、異なる但馬の名牛の血を5頭以上入れることで但馬名牛5点配合は完成します。

 

【但馬名牛5点配合の説明】

宮崎県の県有種雄牛の満天白清の血統は、【安平×白清85の3×福桜】です。

満天白清の3代祖までに安平と白清85の3という但馬の名牛が2頭います。

このため満天白清は2点です。

 

宮崎県の次のエースと期待されている二刀流の血統は、【美津照重×安福久×勝忠平】です。

美津照重と安福久という但馬系の名牛が2頭いるので二刀流は2点です。

 

宮崎県を代表する藤良系の福之国は【北国7の8×福茂×菊安】

3代祖の菊安が但馬系の名牛です。点数は1点です。

 

二刀流×満天白清×福之国という交配で造成された素牛は、それぞれの3代祖に含まれる異なる但馬系の名牛は5頭います。

(安平、白清85の3、美津照重、安福久、菊安)

この交配で点数は5点となり、但馬名牛5点配合が成立します。

 

二刀流と満天白清は但馬系同士ですが、それぞれの血統構成は、「美津照重×安福久」「安平×白清85の3」と微妙に外れています。

そのため但馬名牛5点配合が発生しやすいです。

遺伝力の強い異なる但馬系の名牛の血が5点入ることで、最上級の肉質を安定して生産することが出来ます。

 

但馬和牛5点配合は、但馬系の母体に但馬系を交配すれば簡単に成立させることが出来ます。

しかし、但馬系の系統交配をすると肉質は良くなりますが、枝肉の重量の少なさと、モモの肉量不足といった弊害が出てきます。

また子牛が虚弱で生まれてくる可能性もあります。

 

但馬名牛5点配合の前提条件は大きな牛を作ることです。

その大きな牛に5頭の但馬系の名牛の血を入れて質量兼備の文句ない枝肉を作ることが目的です。

但馬名牛5点配合を無理して成立させたせいで、小さい牛が生まれないように注意して下さい。

 

【まずは但馬名牛3点配合から】

3代祖までに1頭でも但馬の名牛の血が入るだけで、枝肉のサシの形状やモモ抜け、ロース芯の大きさが向上します。

例えば、下記の組み合わせだと3点です。

若百合×安福久×第一花国 3点(安平、安福165の9、紋次郎)

 

この掛け合わせには3頭も但馬の名牛の血が入っているので、大きなロース芯と立派なモモ抜けが期待できます。

素牛市場でも「若百合×安福久」の組み合わせは、肥育農家から質量兼備と評価されているので高値で取引されています。

但馬の名牛を5頭揃えて但馬名牛5点配合を完成させると、枝肉はより和牛らしい最上級の肉質に達します。

しかし、但馬牛の血が濃くなると虚弱や枝重低下のリスクを抱えます。

そのため但馬名牛5点配合では、但馬牛と気高牛のハーフの牛などをうまく利用して体型を整えて十分な枝重を確保しないといけません。

 

【お勧めの増体型種雄牛】

諒太郎(勝忠平×安福久×平茂勝)1点

若百合(百合茂×安平×北国7の3)1点

安亀忠(善亀忠×安糸福×金幸)1点

勝早桜5(勝忠平×安平×隆桜)1点

 

 

【但馬名牛5点配合の始め方】

まずは、子出しの良い大きな母体を導入するか自家造成をして下さい。

百合茂×勝忠平といった気高系の系統交配などで固めて、体型を固定させてから、但馬系を系統交配かサンドイッチで交配していく方法もあります。

3代祖となる母体に但馬系種雄牛を交配して、生まれてきた子を保留して下さい。

その保留した雌牛に大きい子を産ませるために増体型の種雄牛を交配します。

まずは但馬名牛3点配合が完成するように目指して下さい。

 

交配参考例

  英貞×幸紀雄×諒太郎      3点(安糸福、安平、安福久)

  若百合×北美津久×白鵬85の3 4点(安平、美津照重、安福久、白清85の3)

  百合未来×弁慶3×勝早桜5   4点(安福久、北之大福、牛若丸、安平)

  若百合×美津照重×諒太郎    5点(安平、美津照、美津福、糸秀、安福久)

  百合未来×安平照×勝忠平    5点(安福久、安平、照長土井、菊照土井、忠福)

  美津茂洋×花国白清×勝早桜5  5点(茂洋、那須光、白清85の3、安福、安平)

 

 

最近の枝肉は、BMSが高すぎて脂が多すぎて胸やけしたりすると聞くことがあります。

それでも枝肉市場では相変わらずBMSが高い枝肉が高値で取引されています。

その理由は、やはり霜降りが入ることで肉は美味しくなるからです。

 

サシが入ることで硬いモモ肉が最上級のステーキや焼き肉になります。

ミルクネット受精卵研究所は人工授精所として、サシは細かく、モモまで強烈に入っていて、脂が美味しく、和牛の香りが強くする、大きな枝肉を安定的に生産することを目指しています。

是非とも但馬名牛5点配合を利用してみて下さい。

 

但馬名牛5点配合の例

耕富士×白鵬85の3×福栄     5点(安平、白清85-3、安福、菊照土井、菊安土井)

耕富士×美国桜×美津照重       5点(安平、美津福、紋次郎、美津照、糸秀)

弁慶3×耕富士×安福久       5点 (北乃大福、牛若丸、安平、安福165の9、紋次郎)

若百合×美津照重×菊福秀      5点(安平、美津福、美津照、糸秀、菊谷)

茂福久×美国桜×安福久       5点(茂洋、安福久、美津福、紋次郎、安福165の9)

福之姫×勝洋×安福久        6点(第5隼福、茂洋、安平照、茂勝、安福165の9、紋次郎)

福之鶴×知恵久×勝早桜       5点(美津照重、菊知恵、安福久、福栄、安平)

百合未来×光平照×勝忠平      5点(安福久、安平照、安福165の9、照長土井、忠福)

幸紀雄×諒太郎×茂重安福(沖縄)  5点(安平、安福久、安福165の9、茂重波、安谷土井)

隆安国×勝早桜5×安福久      5点(安糸福、第5隼福、安平、安福165の9、紋次郎)

紀多福×美津照重×安福久      5点(美津福、美津照、糸秀、安福165の9、紋次郎)

関平照×諒太郎×北平安       5点(美津照重、安福久、安平、菊照土井、菊安土井)